質問ありがとうございます!
UHFとNFCですが、一般的にはモノに貼るのがUHFで、ヒトが持ち歩くのがNFCというイメージでしょうか。
たとえば、物流倉庫や工場でUHFを使って、入退管理や決済用途にNFCを活用する、みたいな。
そのような使い分けは勿論まちがってはいませんが、それだけが正解というわけでもありません。
用途に限定されずに両者を比較してみると、
■通信特性
NFC:数cm程度、基本的には1個ずつ読み取り
UHF:数m程度、複数同時読み取りが得意
(読みたくないタグを読み過ぎてしまう問題はあるものの)
遠くまで一括で素早く読み取ることができるのはUHF帯ですね。
■タグの価格(小ロットの場合)
UHF:30円~
NFC:60円台~
という感じで、実は通信距離の長いUHFのほうが安価なんですね。
■リーダーの価格
UHF:
定置式リーダー+アンテナ:30万円~
画面付きのハンディリーダー:30万円~
Bluetooth接続のハンディリーダー:10万円~
NFC
USB接続のリーダー:5,000円~
NFC対応のAndroid端末:0円~(手持ちの端末を使用するなら)
という感じで、リーダーは圧倒的にNFCが安いですね。
もしNFC対応のAndroid端末をお持ちなら、リーダーを新たに購入する必要すらありません。
そんな感じの特性を活かして、どのように使い分けるか。
最近は使い分けるというより、同じアプリケーションの中で共存的な使い方が多いかもしれません。
たとえば、資産管理のアプリケーションを考えた時に、
物品に対してはUHF帯のタグを貼付して、持出/返却/棚卸の際にはスムーズなまとめ読みを実現、
いっぽうで「誰が」という情報も大事になりますので、利用者にも何かしらIDを持たせる必要があるわけですが、
ここで、既に配布されている社員証を流用することが多いです。
(日本では多くの現場でFelica=NFCベースの社員証が使われてますよね)
単一のアプリケーションで、物品のID、利用者のIDをシームレスに記録するために、
たとえば管理PCに、UHF/NFC両方のリーダーを接続したり、
あるいはNECマルチリーダーのように、UHF・NFC両対応のリーダーを利用したり、
弊社のAndroid版タッチレンタルであれば、社員証はスマートフォン内蔵のリーダーで読み取り、
物品はBluetooth接続したUHFリーダーで読み取る、といった感じのハイブリッドな運用が可能です。
それから、UHFとNFCのハイブリッドタグも製品化が始まっています。
1枚のタグなんだけど、UHF/NFCどちらの読み取り機でも認識することができます。
たとえば、お店で売られる個品にそんなタグがついていると、
物流倉庫から出るときはUHFのゲートで一括自動読み取りをして、
規模の小さい店舗のバックヤードへ入庫されるところでは店員さんのスマートフォンでNFCベースの入庫処理をしたり、
などという使いかたが出来れば、拠点の規模に最適化された読み取り装置の配備が実現できそうです。
ということで、両社に関する通信性能や価格面などの特性を正しく理解して、
より便利で楽しいRFIDの活用を進めていきたいですね。Enjoy RFID!